どうも、こんにちは！
証券会社出身トレーダーかずきです。
今回は絶対に知っておいてほしい「ダウ理論」についてお伝えします。
この記事を見ている方は、FXをはじめたいけど何をすればいいのかわからない、いつまでたっても稼げない、そのような方が多いのではないでしょうか。
FXはほとんどの人が資金を溶かしてマーケットから退場していきます。
それはなぜか？
マーケットにおける「基本原則」を知らないからです。
FXではルールを守るという事が重要視されます。
しかし、FXで負けている人は守るべきルールをそもそも知らない、間違ったルールを守っているんですね。
マーケットの基本原則を知らないから、インジケーターや手法さがしに奔走しているので勝てないのです。
マーケットの基本原則を知らずに、いろいろな知識を詰め込んでもFXや投資の世界では、絶対に勝ち続ける事はできません。
FXで勝ち続けている人間は、根幹にあるルール、基本原則を当然知っているから勝ちを継続できるのです。
こちらのブログでは、その超大事なマーケットの基本原則である「ダウ理論」について説明していきます。
ダウ理論は、19世紀に米国の証券アナリスト、チャールズ・ダウによって考案された理論です。
19世紀から今世紀にいたるまで、ずっとマーケット参加者に使われている理論です。
FXをはじめると色々なインジケーターを使い始めると思います。
メジャーなものですと、
など色々あります。
今でも新しいテクニカルインジケーターが次々と開発されています。
しかし、テクニカルインジケーターよりも、もっと基本的に重要なものがあります。
それは「レートそのものの動き」です。
ローソク足の動きがもっとも基本で重要なのです。
ダウ理論を勉強することで、マーケットにおける最も重要なレートの動き、ローソク足の動きを知ることができます。
今まで使ってきたテクニカルインジケーターも、ダウ理論と一緒に使うことで、より効果を発揮します。
ダウ理論を知らずに他の事を一生懸命勉強しても、トレード成績が伸び悩むのは間違いないでしょう。
それほど基本的なマーケットの法則ということです。
では、ダウ理論について詳しく解説していきます。
ダウ理論①
1つ目の基本法則は、
「平均はすべての事象を織り込む」です。
チャートというものは色々な事象を織り込んで形成されます。
具体的には、
・国の発表する経済統計
・企業の業績などのファンダメンタルズ、
・突然発生した自然災害などの地政学的な要因
・外交問題や戦争などの政治的な要因
チャートに大きな影響を与えます。
この世の中のあらゆる事象、材料を価格の中に織り込むからこそ、チャートを分析すれば値動きを予測することができる、ということになります。
世の中には、色々な材料が溢れていますが、すべてのニュースに目を通す事なんてできますか？
しかし、チャートを見れば、これからの値動きが予想できるようになります。
ダウ理論②
次に、ダウ理論、2つ目の法則です。
それは、「トレンドには3種類ある」です。
ダウ理論は値動きにおいてトレンドを意識します。
価格が継続的に上がっていく状態が「上昇トレンド」、価格が継続的に下がっていく状態が「下降トレンド」です。
ダウ理論ではそのトレンドの期間を3種類に分別します。
1つ目は、「長期トレンド」です。
主要トレンド、プライマリーサイクルといったりもします。
期間としては1年から数年間です。
2つ目は、「中期トレンド」です。
二次トレンド、セカンダリーサイクルともいいます。
これは3週間から3ヶ月のサイクルです。
3つ目は、「短期トレンド」。
小トレンド、マイナーサイクルという言い方もあります。
これは3週間までの短い期間を指します。
トレンドを3つに分けましたが、これらはまったく別に存在するのではなく、長期トレンドの中に、中期トレンドがあり、中期トレンドの中に、短期トレンドが発生します。
皆さんは相場がフラクタル構造になっているという話を聞いたことがありますか？
日足、1時間足、15分足で見ても、ダブルボトム、ヘッドアンドショルダーなど、ローソク足に似たような形を見つけることができるのは、FX経験者ならご存知だと思います。
FXではマルチタイムフレーム分析が大事です。
5分足を見て価格が大きく上昇していても、4時間足、日足を見るとレンジや下降トレンドの真っ最中といったことはよくあります。
当然、そんな時に買いから入ろうとするのは危険です。
月足、日足、4時間足、1時間足と上位足から下位足に向かってチャートを見ていくと、買いから入るか、売りから入るかトレードの判断がしやすくなります。
チャートの一部分だけを切り取って見ていると必ず失敗します。
チャートを見る時は、色んな時間足を見ることをクセにしてください。
ダウ理論③
次にダウ理論、3つ目の法則、
「トレンドは3段階からなる」です。
元々のダウ理論では、長期トレンドの動きを説明するのに、よく使われる法則ですが、長期トレンドだけに関わらず、中期トレンド、短期トレンドの中にも3段階の動きを見つける事ができるので、皆さんは期間の長さにこだわらず、トレンドが発生した時に頻出する値動きのパターンだと思って聞いてください。
1段階目は「先行期」です。
一部の投資家が先行して買いはじめます。
これ以上価格は下がらないだろうと判断した投資家が、底値を狙って買い始めた状態です。
価格に多少動きがでますが、激しくは動きません。
もちろんトレンドの初動である先行期にポジションを持てば、大きな利益がでるのは間違いありませんが、先行期を判断するのは一般の投資家には難しいといえます。
無理に狙う必要はないでしょう。
2段階目は「追随期」です。
価格の上昇を確認した投資家が、追随して買いを入れる状態です。
3段階のうちで、この2段階目が1番大きく価格が上昇する傾向にあります。
皆さんはこの2段階目を狙わなければなりません。
3段階目は「利食い期」です。
この段階は今までの価格上昇を見て、買い始める初心者が増え始めます。
ニュースなどに取り上げられる大きなトレンドだと、今までトレードをしたことがない新規参入者なども現れ始めます。
出来高も大きくなってきます。
しかし、初心者が参加しはじめる一方で、先行期や追随機にポジションを持った機関投資家やトレード上級者は、利益を確定しはじめます。
皆さんは、この3段階目の「利食い期」にマーケットへ参加するのは慎重になるべきです。
チャートを見てもらえばわかるように、利食い期の後は価格が下落しています。
初心者や素人はプロの投資家の餌食になってしまいました。
高値掴みをして損をする、含み損を抱えてポジションを塩漬けしてしまうっていうのは、こういうトレンドの流れをつかんでないからなんです。
自分がポジションを持ったら価格が反転した！
これはFXの経験者なら絶対にあると思います。
これからまだ伸びるトレンドなのか、トレンドの終盤期なのかがわかれば、FXでよくある、そんな現象も減ってくるのではないでしょうか。
トレンドが継続するのか、トレンドの終盤期なのかを判断する方法は、後にでてくる法則で説明します。
ダウ理論④
4つ目の法則は、
「平均は相互に確認されなければならない」です。
元々のダウ理論では、複数の指標、チャートで同じような方向を向かない限り、トレンドとはいえないという考え方だったのですが、現代では状況が変わっているので、複数のマーケットは相関性がある、という解釈をすればいいと思います。
FX、通貨の価格というのは、金利、株価、貴金属、資源、などが相関して価格を形成しています。
複数のマーケットがお互いに影響を与えているのは間違いないのですが、すべての商品や通貨を監視することはできません。
ですので、まずは、法則1、「平均はすべての事象を織り込む」でも説明した通り、チャートにマーケット参加者の考えが織り込まれている、そう考えて、ローソク足の動きに注力してトレンドの動きを理解しましょう。
ダウ理論⑤
ダウ理論5つ目の法則は、
「トレンドは出来高によって確認される」です。
出来高の推移を見てトレンドの発生を判断するという法則ですが、これはダウ理論が元々株式投資を想定して考えられたものだからです。
FXでは基本的にマーケット全体の出来高を見ることはできないので、この法則は省略します。
ダウ理論⑥
ダウ理論、6つ目の法則は、
「トレンドは明確な転換シグナルが発生するまで継続する」です。
ここでは、ダウ理論がどのようにしてトレンドが継続していると判断するのか、どのような状態が転換シグナルだと考えるのかをお伝えします。
まずはトレンド中のローソク足の形から、上昇トレンドで説明します。
この図を見てください。価格は上昇をしていますが、ジグザクしながら上がっています。
この形を見れば、トレンドが継続しているかがわかります。
・安値が切り上がり、
・高値も切り上がる
この状態こそ上昇トレンドが継続しているという状態です。
この形が続いているかぎり、買いでエントリーします。
下降トレンドの場合は逆です。
・高値が切り下がり、
・安値も切り下がる
この形が続いているかぎり、売りでエントリーします。
次はトレンドの転換サインを解説します。
ずっと安値と高値を切り上げて来た上昇トレンドですが、今まで安値と高値を切り上げてきたのに対し、下降トレンドでは高値を更新しなくなりました。
この時点でトレンド継続が怪しくなると判断し、新規で買いポジションを持つ事に慎重にならなければなりません。
そして下降トレンドでは、上昇トレンドとは逆に高値の直前の安値を下に抜けています。
この形はトレンド転換サインと見るべきです。
実際にチャートを見ても下降トレンドに切り替わっています。
このように上昇トレンドであれば、高値を切り下げたり、安値を切り下げて、トレンドの形が崩れたのを確認したら、トレンド転換が近いと判断してください。
また、トレンドが弱くなったと判断するポイントとしては、高値更新の値幅が少ない、というのもあります。
例えば、今まで50pips以上の高値更新を何回も繰り返してきたのに、直近の高値更新が10pipsだけだった、このようなパターンはトレンドが弱くなっている可能性が高いです。
実際にチャートを見ていると感覚的にも理解できるので、そんなに難しくはないと思います。
もう一度ポイントを言います。
上昇トレンド中は安値と高値を切り上げていきます。
トレンドが転換するサインは、
① 高値を切り下げる
② 安値を切り下げる
③ 高値更新の値幅が少ない
④ 直前の安値を下に抜ける
ここに注目してみましょう。
下降トレンドでは逆ですね。
下降トレンド中は高値と安値を切り下げていきます。
トレンド転換のサインは、
① 安値を切り上げる
② 高値を切り上げる
③ 安値更新の値幅が少ない
④ 直近の高値を上に抜ける
しっかりと覚えてください。
トレンド転換のサインが出るまでは、上昇トレンド中は買いから入る、それだけです。
逆張りは推奨しません。
素直にトレンドに従いましょう。
そしてトレンド転換のサインがでたら、買いポジションの利確を検討し、上昇の勢いがないと感じたら決済してください。
そしてトレンドが切り替わったのを確認してからはじめて売ってください。
もしチャートを見てもトレンドが出てるかわからない、判断が付かないという場合は様子見です。
新規でポジションを持つのはやめましょう。
何もしないでください。
トレードというのは待つことがめちゃくちゃ大事です。
勝てる時、わかりやすい時にだけ参加すればいいんです。
まとめ
では、おさらいにいきましょう。
① 平均はすべての事象を織り込む
② トレンドには3種類ある
③ トレンドは3段階からなる
④ 平均は相互に確認されなければならない
⑤ トレンドは出来高でも確認されなければならない
⑥ トレンドは明確な転換シグナルが出るまで続く
ダウ理論を知ると、トレンドの発生を判断し、トレンド方向に向かったポジションを持つことができて、トレンド転換のシグナルも察知することができるようになります。
もちろん、マーケットのすべての動きがダウ理論で説明できるわけではありませんので、判断に迷う時もあります。
先程も説明した通り、その時は”何もしなければいい”んです。
FXで負けている人というのは、わからないのにポジションを持つことで負けてしまいます。
ここは機械的に冷静に判断をし、勝算が高い時にだけマーケットに参加しましょう。
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